読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

The Diamond Dust

僕は蜃気楼を見ていた…

The Diamond Dust

by Unknowner

【特集】ロック・メタル向けヘッドホンの紹介

今回は,私の愛する音楽ジャンルである,ロック・メタルの再生に適したヘッドホンを紹介したいと思います。(画像はeイヤホン様,amazon様のホームページなどから転載しています。)

そもそも,ロックのルーツはR&Bやカントリーから強い影響を受けた50年代米・ロックンロールにあるとされており,通常ギター,ベース,ドラムの三楽器を中心に,典型的にはヴォーカルを加えた構成で演奏されることが多いですが,ロックジャンル自体が極端な多様性をはらむものであるがゆえ,その共通した音楽的特徴を定義づけることは極めて困難ですし,すべきではありません。

日本ではポップスとロックの音楽的境界がほぼ消滅しており,ポップス・ロックという一括りのジャンルとして語られることも非常に多いですし,実際問題純粋で典型的なロックバンドというもの自体あまり存在しないように思えます。例えば,ONE OK ROCK はロックというよりむしろエモですし(そもそもエモ自体ロックの1ジャンルですが。),Bump of chicken やBacknumber なんかはハッキリ言ってポップスです。

そこで,今回はベーシックなロックシーンにフォーカスを当て,具体的にはEagelsのHotel California やNirvanaNevermind,YesのRoundaboutなどといった歴史的名盤を聴くにはどのようなヘッドフォンが適しているかを考察していきたいと思います。

f:id:swift4869:20160722191927j:plainf:id:swift4869:20160722192048j:plain

また,メタルについては逆によりメタル色の強い過激なジャンル,例えばデスメタル系やスラッシュメタル系を想定することとします。

さて,それではロック・メタル向けのヘッドフォンを紹介していきたいと思います。

 

先鋒:SENNHEISER HD25

f:id:swift4869:20160721194013j:plain

ドイツの老舗メーカーゼンハイザーが誇る,歴史的DJモニター。シリーズ初号機の発売が25年前と歴史は古く,当時から現在に至るまで数多くのDJに愛されてきたモデルである。

特筆すべきはキレと量感を高水準で両立した低域。極限まで無駄な贅肉をそぎ落としたソリッドスタイル。高音圧の激しいドラムの音が,熱いロック魂を揺さぶる。まさに地を這うような疾走感溢れるドラムサウンドだ。これは素晴らしい。さすが漢のヘッドフォンと言われるだけのことはある。

また,通常低域が強めのヘッドフォンは中高域が曇ったように聴こえるイメージがあるが,HD25は違う。ドラムの迫力が半端でないのと同様,ギターやボーカルも引き立ち,音圧の不足も感じさせない。

音場は狭いものの前後感を感じる立体的なサウンドで,ボーカルは若干遠目に感じるものの粗い男性ボーカルなどとの相性が抜群。GRADOのヘッドフォンなどとは正反対に真面目で武骨なモニターサウンド。プレイボーイのような遊びを感じさせない。

先日のパッケージ変更により15000円強まで値下げされ,その価格に見合わぬ解像度に思わずひれ伏す。一方で分離感は悪く,音がダマになって聴こえるし,篭りもかなり感じる。が,そういった欠点がどうでもよくなるような,聴いていると元気になれるサウンド。

悪名高き装着感はYAXIのイヤーパッドで改善しよう。ガツガツした音が若干収まり,音がさらに立体的になり一石二鳥。

兄弟機HD25 Alminium,Amperior はノーマルモデルに比べ音に味付けが加わり,若干の遊びが生まれるので一聴の余地あり。(個人的にAlminiumの音はノーマルモデルに感じる分離感の悪さや篭り感を感じさせず,味付けの強い音がロック・メタルと相性が良いため,こちらもオススメです。)

 ロック・メタル好きは全員持っているべきマストアイテム。

 

次鋒:SENNHEISER IE60

f:id:swift4869:20160709094740j:plain

二連続でSENNHEISERというのもなんだが,音が素晴らしいので許して欲しい。

2万円弱で手に入るイヤホンの中では最もコスパに優れたイヤホンと言っても過言ではない。

量感は少ないもののキレの良い低音は不満を感じさせない。必要最低限の低音が中高域の見通しの良さを助けていると思えば悪くないだろう。IEMタイプのイヤホンにしては開放的な音作りで,ここ辺りは同社ヘッドフォンのHD650などにも通ずる面がある。

SENNHEISERにしてはシャキシャキした迫力重視のサウンドだが,包まれるような低音に癒されるのが不思議だ。SENNHEISERらしいと言えばらしいのだが,元気で楽しいのに同時に癒されるイヤホンはなかなかない。とにかく耳当たりへの配慮が感じられる。

ということで,プログレなどのクラシカル系,シンフォニック系のロックやメタルとの相性も良い。

少し大人で上品なロックミュージックが好みの人にお勧めしたいモデルである。

IE80でなくIE60としたのは低域のキレ,疾走感を重視した結果。

 

中堅:SHURE SE215 Special Edition

f:id:swift4869:20160722211639j:plain

SHUREドンシャリIEM,SE215 Special Edition。

某有名オーディオショップの年間売上ランキング上位の常連としても知られ,高級イヤホン入門者の登竜門的存在にもなっている。初音ミク色とも言われるスケルトンのブルーハウンジングに心が洗われるようだ。

一聴すると,暴力的な音圧で押し寄せてくるガツンとした低音に驚愕するだろう。HD25と異なりキレはあまりないが,諭吉1枚と少しで手に入るイヤホンでこれだけの低音の満足感を得られるイヤホンはないはずだ。

一方で中高域には不満を感じざるを得ない。妙にシャキシャキした音で透明感がなく,ギターの音の再現性もそこそこだ。

しかし,遮音性が極めて高く,ケーブル着脱式でお手頃価格というバランスを実現しているイヤホンはそうない。

イヤーチップの交換で,ボワボワした低域を引き締め,中高域寄りにシフトさせると良い。遮音性重視ならComply Ts-100,透明感と抜けの良さ重視ならSpinFitが相性が良い。

ギター,ベース,ドラムの練習にも流用できるスグレモノだ。

 

副将:GRADO SR325e

f:id:swift4869:20160721203436j:plain

ロック・メタルと相性の良いヘッドホンとして,SENNHEISER HD25 と肩を並べるのが,米のガレージメーカー,GRADOのSR325e 。

GRADOのヘッドフォンはほぼ全ての機種がロック・メタルとの相性が抜群だが,特にSR325eは価格と音質のバランスが優れており,ロックンローラーメタラーに熱烈な支持を得ているヘッドフォンである。

刺激的な高音,ウォームで叙情的な中音,キレ味抜群の低音に,ヘッドフォンとは思えないほどの開放感と,唯一無二個性を放つモデルだが,これがロックやメタルを聞くためだけに生まれてきたかのような抜群の相性を示してくれる。

シャーンと頭をつん裂くようなシンバル,まるで泣いているかのようなメロディアスなコードと,ジャキジャキ歯ぎしりしているかのようなリアルなリフのギターはこのヘッドフォンでしか味わえない。これぞコアなファンを抱えるGRADOサウンドか。

HD25のような質実剛健で地味なサウンドとは異なり,とにかく爽快で有頂天なサウンドはアドレナリンの大量分泌間違いなしだ。とにかく重く激しく爽快なメタルでエクスタシーを感じてほしい。

作りの悪さ,拷問器具並みの装着感の悪さ(とはいえ私は快適に装着できましたが)を考慮してもなお余りあるほどの購入動機がこのヘッドフォンにはあるのだ。

ともかく,ロック・メタル向けのヘッドフォンを語る上で欠かせないのが,このGRADO SR325eだ。

 

大将:Vision Ears VE6 X1

f:id:swift4869:20160722220103j:plain

ドイツの新興カスタムIEMメーカー,Vision Ears のフラッグシップ機VE6のX1モデル。

Vision Ears のフラッグシップ機は,低音の量感重視のX1,中高域寄りで解像度・見通しの良さ重視のX2,その2つをスイッチ1つで切り替えられるXcontrolの3モデルが存在する。価格はX1とX2が20万円弱,Xcontrolが25万円程度と非常に高価だ。

Vision Ears のIEMに共通する特徴だが,無駄な贅肉をこれでもかというほど削ぎ落としたかのようなソリッドなサウンド傾向で,その具合はHD25の並みでない。それでいて耳に刺さらないように上手く音のカドを削っているような配慮が感じられる。

カスタムなので装着感はもちろんのこと,解像度,分離感,音場の広さ・表現,帯域バランスなど,どれを取っても一切の不満を感じさせない。ソリッドでシャープでスッキリとしていながらも,迫力満点で元気なサウンド傾向はGRADOのヘッドフォンにも通ずるところがあるが,音質のグレードはこちらの方が何段階も格上だ。

BA多ドラ特有の曇りやシャリシャリ感,音圧不足も一切感じられず,まさに完璧なサウンド。全カスタムIEM中でもここまでの完成度を誇るIEMはそうそうない。

お金に余裕のある人に是非とも手に入れて欲しい新生の名機である。

 

以上計5機種の紹介をしましたが,ここにあげたヘッドフォン,イヤホンはどれもロックンローラーメタラーに十分満足できるであろう名機ばかりです。今までヘッドフォンやイヤホンに拘ったことがない人,気にしていなかった人も,特にロックやメタルが本当に好きならば,是非1度店頭で視聴して頂きたいなと思います。

何か質問,疑問点,記事に対する要望やリクエストが御座いましたら,コメントやTwitterでして頂ければ幸いです。