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The Diamond Dust

僕は蜃気楼を見ていた…

The Diamond Dust

by Unknowner

【特集】一般人のためのヘヴィメタル入門

今回は「一般人のためのヘヴィメタル」特集をお送りします。これを聴けばヘヴィメタルたるジャンルを俯瞰できる内容に仕上がったと自負しております。好評を頂ければ続編も検討します。さらなる向上のため,コメント,ご感想お気軽にどうぞ。

 

はじめに

日本国内では,ヘヴィメタルというと,「白粉を塗った過激なファッション」で「デスボイスをひたすら咆哮する」といったステレオイメージが確立されていますが(ヘビメタという略称自体,ヘヴィメタルが偏見の目で語られている証明とも言えますし,蔑視用語でもあります。),実際には,このイメージはデスメタルブラックメタルといった,ヘヴィメタルの中でもブルータルなジャンルでの話であって,商業音楽的な聴きやすさの感じられる楽曲,ジャンルも少なくありません。

そこで,今回はヘヴィメタルにとっつきにくいイメージを持つ方,興味はあるが何から聴けば良いのかわからないビギナーを対象に,キャッチーで聴きやすいジャンル,バンド,アルバム,楽曲をメインに,ヘヴィメタル入門と題し,紹介していきたいと思います。

以下,紹介するバンド,アルバム,楽曲を太字で表記します。

 

 

ロディックメタルは全ての基本

ヘヴィメタルの中で特に聴きやすく,かつ日本人に人気のあるジャンルがメロディックメタルです。ひたすらメロディアスでキャッチーな音楽性は,ヘヴィメタルの入門にも最適です。主にスピード性を重視したメロディック・スピードメタル(メロスピ)と,パワー性を重視したメロディック・パワーメタル(メロパワ)に大別されますが,ジャンル分けの厳密な基準はありません。

ヘヴィメタルの盛んな国は,主にアメリカ,イギリス,ドイツ,スウェーデンフィンランドの5カ国が有名ですが,このうち,とりわけメロスピの優良バンドが数多く存在する国はドイツと北欧2カ国です。

これにちなんで,音楽性の違いで,ドイツのメロスピバンドをジャーマン系,北欧のメロスピバンドを北欧系と呼んでいます。(一般的な定義ではなく,個人的な解釈です。)

 

Halloween「Keeper Of The Seven Keys Part 2」 

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最初に紹介するバンドは,ジャーマン系の有名メロディック・パワーメタルバンドHalloween(ハロウィン)です。1980年代から長きに渡り精力的に活動する彼らは,世界中に多くのファンを抱える大物バンドとして有名です。3rdアルバム「Keeper Of The Seven Keys Part 2」はメロパワ随一の名盤として知られており,中でも2曲目「Eagle Fly Free」はライブでも定番の名曲で,メロスピの始祖としての品格が感じられます。

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STRATOVARIUS「Infinite」

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続いて紹介するバンドは,フィンランドが誇る,北欧系の人気メロディック・スピードメタルバンドSTRATOVARIUSストラトヴァリウス)です。デビューしたての頃から特に日本で人気の彼らですが,ストヴァリサウンドとして知られる,北欧らしいキラキラした美麗なシンセワークに,キャッチーで哀愁溢れるメロディーに合わせて疾走するスタイルが,日本人の琴線に触れるのは必至とも言えます。今回紹介するのは「VIsions8thアルバム「Infinite」。1曲目の疾走曲「Hunting High and Low」は同バンドの魅力がコンパクトに纏まった名曲中の名曲で,北欧の哀愁溢れるサウンドがココロに染みるでしょう。

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SONATA ARCTICA「Silence」 

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ストヴァリと双璧をなすのが,フィンランドの北欧系メロディック・スピードメタルバンド,SONATA ARCTICAソナタ・アークティカ。なんと10代でメジャーデビューし,以降日本では’ソナタ’の愛称で親しまれている人気バンドです。ストヴァリの血統を継ぐ,透明感の高い哀愁溢れるメロディアスな音楽性が特徴で,特に1stアルバム「Ecliptica」と2ndアルバム「Silence」は驚異的とも言えるクオリティーを誇る,メロスピの名盤として有名です。怒涛のように流れ込んでくるメロディーの洪水に思わず唸ってしまうほど。中でも「San Sebastian」は随一の完成度を誇る人気曲で,ギターソロの美しさに惚れ惚れしてしまいます。

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Dragon Force「Inhuman Rampage」

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最後に紹介するのはメロスピ界のサラブレッドことDragon Force(ドラゴン・フォース)。人間の限界に挑戦した,超高速スピードにまずは衝撃を受けますが,そればかりではありません。現代のRPGくさいキャッチーなメロディー,曲の長さを感じさせない見事な展開力,圧巻のギターソロと見所が絶え間なく続きます。特に3rdアルバム「Inhuman Rampage」はドラフォサウンドを手軽にテイスティングできる傑作アルバムです。1曲目「Through the Fire and Flame」は衝撃的キラーチェーン。この曲を聴けばドラフォの全てがわかる圧巻のクオリティーです。

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メタルとオケのフュージョンサウンド

さて,メロディックメタルの基本バンドを攻略したあなたに,次にお勧めしたいジャンルがシンフォニックメタルメロスピの亜種的存在である同ジャンルは,メロディックメタルを基礎に,オーケストラサウンドを大胆に導入したジャンルです。オーケストラファンにも比較的とっかかりやすく,なおかつ飽きのこないファンタジックで壮大な世界観が魅力でもあります。

 

Rhapsody Of Fire「Power of the Dragonflame」

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イタリアが誇るシンフォニックメタルの雄Rhapsody Of Fire(ラプソディー・オブ・ファイア)。もともとイタリアはメタルが盛んな国ではありませんでしたが,同バンドは国内で高い人気を誇るヘヴィメタルの牽引者です。大仰なクサいメロディーに分厚いコーラスが組み合わさって,男臭く暑苦しくもファンタジックな世界観を構築しています。特にストーリー仕立てになっている初期4部作(1st「Legendary Tales」,2nd「Symphony of Enchanted Lands」,3rd「Dawn of Victory」,mini「Rain of A Thousand Flames」,4th「Power of The Dragonflame」)のエメラルド・ソード・サーガシリーズは現在でもファンの支持が強く,完成度も非常に高いためお勧めです。「Emerald Sword」は同バンドを代表するレジェンド級の名曲で,バンドメンバー本人が「これ以上の曲は作れない」とコメントしたほど。進撃の巨人のOPなんかが好きな方にはハマることでしょう。

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Nightwish「Century Child」

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フィンランドの国民的シンフォニック・メタルバンド,Nightwish(ナイトウィッシュ)。正統なオペラティックな女性ボーカルがトレードマークの同バンドは,シンフォ・メタルの立役者として世界的に有名です。メロスピを土台にした,ディズニーチックで美麗な世界観が特徴で,上品なシンフォ・メタルの入門にもうってつけです。特に4thアルバム「Century Child」はヨーロッパでの人気を確立した名盤で,男女ボーカルのコントラスト,メロスピ色を敢えて弱め構築したオペラティックな世界観が魅力です。2曲目「End of All Hope」は同バンドを代表するアグレッシブ・ナンバーであり,インパクトのあるメロディーに聴き覚えのある方は多いかと思います。

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デスボアレルギーはメロデスで克服

ヘヴィメタルを語る上で外せないのがデスボイスの存在です。ヘヴィメタルに苦手意識を持っている方の多くはデスボイスが苦手なことが多く,これをデスボアレルギーなんて言ったりします。本流のデスメタルはメロディー要素が無い場合が多く,これがデスボへの苦手意識を加速させる原因にもなっています。そこで,今回は叙情溢れるメロディーがふんだんにあしらわれたメロディックデスメタルで,デスボアレルギーを克服しましょう。メロディック・メタルをベースにデスボイスを添加した形態をとることが多く,キャッチーで聴きやすい曲も多数存在します。

ロディックデスメタルは極寒の地北欧で局所的に発達したジャンルですが,特に名実ともに高いIn FlamesChildren Of BodomArch Enemy,Dark Tranquility の4バンドを合わせてメロデス四天王と呼びます。今回はこのうち,比較的キャッチーかつメロディアスで聴きやすい,Arch EnemyChildren Of Bodom を紹介したいと思います。

 

Arch Enemy「Burning Bridges」

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スウェーデンの有名メロディックデスメタルバンド,Arch Enemy(アーチ・エネミー)。ギターの名手・アモット兄弟の奏でる叙情的な泣きメロディーに,ブルータルなデスボイスが乗った強力なサウンドを届けてくれます。特に女性ボーカリスト・アンジェラの加入後,世界的に有名なバンドとなった彼らですが,音楽性のピークはむしろその前,特に3rdアルバム「Burning Bridges」の完成度には目を見張るものがあります。1曲目からこれでもかというほどふんだんに叙情的なメロディーの応酬が続き,とりわけ4曲目の「Silverwing」はメロデス界に残る名曲として日本でも高い人気を誇ります。見所は中盤のギターソロ。ここまで美しいメロディーに出会ったことはありません。

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Chilren Of Bodom「Hate Crew Deathroll」

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フィンランドの人気メロディックデスメタルバンド,Children Of Bodom(チルドレン・オブ・ボドム)。日本でもチルボの愛称で絶大な人気を誇る彼らですが,その音楽性はひたすらブルータルで,聴いているだけで元気が出てくるようなサウンド。アレキシのギターとヤンネのキーボードがトレードマークで,初期のギラギラしたシンセワークは初心者にオススメしづらいですが,4thアルバム「Hate Crew Deathroll」はメロディ性とブルータル性のバランスが絶妙で聴きやすい1枚に仕上がっています。1曲目「Needled 24/7」は彼らの象徴的名曲で,この1曲でチルボドの全てがわかると言っても過言ではありません。 表題曲「Hate Crew Deathroll」もライブでのトリを飾る名曲として必聴です。

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スラッシュメタルはブルータル系メタルの登竜門

ヘヴィメタルの中でも特にブルータル(攻撃的,暴力的)なジャンルとして有名なのが,スラッシュメタルデスメタルブラックメタルの3ジャンルです。このうち,デスメタルは「デスボイスでひたすら咆哮するスタンス」が,ブラックメタルは「ブラストビートとトレモロリフで創り上げるダークかつノイジーな世界観」が,初心者に不向きです。一方,アメリカを中心に発達したスラッシュメタルは比較的聴きやすい楽曲も多く,ブルータル系メタルの入門に最適です。特徴はメロディーよりもジャキジャキしたリフを表に出すスタイルに,吐き捨てるようなボーカル,そして高速のスピードです。

名実ともに高いMetallicaMegadeth,Slayer,Anthraxの4バンドを合わせて,スラッシュメタル四天王と呼びます。このうち,MetallicaMegadethは特に,初心者にも無理なくお勧めできるキャッチーで聴きやすいバンドです。

 

Metallica「Master Of Puppets」

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スラッシュメタルといえば,アメリカのMetallicaメタリカが最有力。ヘヴィメタルに興味のない人間でも,アメリカ人なら誰でも知っている超有名バンドです。中でも3rdアルバム「Master Of Puppets」は大ヒットを記録したアメリカの音楽史に残る超名盤として知られています。スラッシュメタルにしてはテンポの遅い面が賛否両論ありますが,聴きやすさという意味では優秀な1枚。1曲目「Battery」から2曲目「Muster Of Puppets」への繋ぎはスラッシュメタル史に残る名展開として有名で,一度は聴く価値があります。

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Megadeth「Rust in Peace」

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Metallicaと双璧をなすスラッシュメタルバンドがMegadethメガデスMetallicaを脱退したギタリストが敵意を燃やし,Mettalicaを超えるバンドとして結成されました。細部にまで拘られた緻密な展開,テクニックを重視したギタープレイが特徴で,技巧派プログレッシブ・メタルを印象付けるものとなっています。中でも4thアルバム「Rust in Peace」は同バンドの名盤として知られており,彼らの音楽性がピークに達したエヴィデンスとも言えましょう。ライブでの定番曲「Holy Wars... The Punishment Due」,「Hunger18」,秀逸なギターソロが光る「Tornado Of Souls」と名曲ぞろいで,リスナーの耳を飽きさせません。

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番外編:シューゲイザーブラックメタルで癒されろ!

最後に紹介するのはフランスのシューゲイザー/ポスト・ブラックメタルバンドAlcest(アルセ)。ダークかつノイジーで危険なイメージのあるブラックメタルに,ギターを重ねて浮遊感を出すシューゲイザーの要素をふんだんに盛り込み,見事に癒される世界観を構築しています。暗闇の中に浮かび上がるボーカルが天からの歌声のようです。ポストブラックという新境地を切り開いた彼らのサウンドに酔いしれろ!

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おわりに

ここまでヘヴィメタルの名盤,名曲を紹介してきましたが,いかがだったでしょうか。初心者向けの聴きやすい曲を中心に紹介したため,あの名曲がないじゃないか,などと思われるかもしれませんが,ご了承ください。